講師からのメッセージ
このセミナーでお伝えする内容の一部をあげるとすると・・・
- 咀嚼機能や嚥下機能が低下すると低栄養になりやすい理由とは
- 高齢者と若年者のたんぱく質代謝の違い
- 食事からの栄養摂取量が少ないと、身体にどのような影響が出るのか
- 歩行能力と食形態は大きく関係している?!
- 嚥下機能低下のスクリーニング 4つの簡単な方法と手順
- 栄養不良患者のスクリーニング方法と具体的な対応手順
- 栄養管理に関する多職種連携で中心になるべき職種とは?
- 嚥下調整食分類の正しい活用方法
- 栄養不良高齢者に有用な市販食品とは
- 市販介護食の入手方法
講座抄録
高齢者の増加とともに咀嚼機能や嚥下機能の低下した患者が増加している。咀嚼機能が低下すると軟らかい食事を選択する機会が増える。
軟らかい食品とは、水分を多く含む食品であり、単位重量当たりの栄養量は低い。日本人の主食であるごはんと全粥を比較すると、毎食、茶碗1杯(150g)を摂取すると、ごはんの場合、1日当たり750kcal、たんぱく質12g摂取できるが、全粥では330kcal、たんぱく質6gであり、摂取栄養量が大きく異なることがわかる。
食事からの栄養摂取量が少ないと、体内の脂肪やたんぱく質(筋肉)を分解し、必要なエネルギーを産生するため、体重減少が起こり、前後して血液に含まれるたんぱく質(アルブミン)が減少する。栄養状態の悪い患者では、数年後の生存率は著しく低いことも報告されている。
最近の研究では、高齢者のたんぱく質代謝は若年者と異なり、同量のたんぱく質を摂取しても、高齢者では若年者ほど筋たんぱく質の合成に利用されないため、積極的にたんぱく質を摂取することが勧められている。
在宅訪問対象患者では、栄養状態の悪い高齢者も多数存在し、その対応についても講義予定である。
- 第1部 嚥下機能低下スクリーング方法について
- 水のみテスト、唾液のみテスト、質問紙法、舌圧など
- 第2部 栄養学の基礎
- 栄養不良患者のスクリーニング方法、栄養代謝の基礎など
- 第3部 咀嚼機能・嚥下機能の低下した栄養不良患者への対応方法
- 嚥下調整食の分類(摂食嚥下リハビリテーション学会2013、ユニバーサルデザインフード、スマイルケア食など)、栄養不良高齢者に有用な市販食品、市販介護食の入手方法など
全国4カ所のサテライト会場でも受講可能です
日本訪問歯科協会の認定講座は、Ustreamで全国5か所の会場へライブ配信をしています。
メイン会場は東京。名古屋、大阪、広島、福岡にサテライト会場を設け、動画・音声配信システムを使っておこないます。サテライト会場では、回線を通じてメイン会場をスクリーンに映し出します。
メイン会場は複数のカメラで撮影し、プロジェクターに映すものと、講師を映すものを専門のスイッチャ―が切替するので、ただ単に講師とスライドがスクリーンに映っているという退屈なものにはなりません。音声もクリアです。
つまり、東京と同じ環境を全国のサテライト会場でも実現できるわけです。
榊原 健 –
スペインではボリュームコントロールを行っている。これは使えると思った
小川 敢 –
訪問先の現場で必要とされている栄養についての知識を学ぶことができて、とても有意義なセミナーでした。歯科と栄養の提携の必要性を強く感じました。
金丸 貴浩 –
MNA、McTオイル等、すぐに役立つ内容だった
I. N. –
摂食支援に関してとろみの比較、VFに関するバリウムの特異性など、大変勉強になりました。
T. T. –
歯科と栄養は大きな関わりがあると感じた。もっと勉強しないといけないと思いました。
S. O. –
栄養状態が悪いと3年で80%の患者さんが死亡してしまうデータに驚きました
S. M. –
舌圧の低下、低栄養と嚥下障害の相関関係。入院およびリハビリテーション病院、入院ほど低栄養。低栄養程度とその予後。
K. Y. –
リハビリテーション病院での訪問診療を行っていますが、これほど低栄養の患者さんが多いとは意外でした。歯科医師が食べられる口を作っていく必要性を改めて認識しました。
M. M. –
食事形態については、エンゲにおいて大切だと思っております。歯科医師が指導できないといけないと思っています。
I. H. –
低栄養がいろいろ問題になることは、わかっていましたが、どのように改善していくか、よくわかりました。
E. K. –
嚥下のスクリーニングなど参考になった。
T. O. –
嚥下調整食、舌圧と経口摂取、とろみ調整
T. O. –
訪問栄養士に歯科医師が指示を出せるようになることをのぞみます。
T. N. –
嚥下食について日本が最先端であること。
M. S. –
栄養を効率よく摂取するための方法が理解できた。患者への説明にも役立てられると思います。
M. I. –
介護食の種類の多さに驚きました。
H. Y. –
栄養の点では、不勉強のところが多く、現在の取り組みや分類について詳しい話を聞け新鮮であった。今後、この知識は必ず必要になってくると思う。より学びたいと思った。
K. E. –
現在の歯科医師の食への関心の低さに気づかされました。口腔環境の改善、身体的な体位の調整だけでは不十分であると考えました。以前、「あいーと」を訪問先のKrに試供品を差し上げたら大変喜ばれましたが、介護食品のコストの削減が進めばいいと思います。
H. K. –
介護施設のスタッフから利用者の食事内容や形態について聞かれることが多いので、この講習が大変参考になりました。早速、指導や助言に利用させていただきます。カタログも注文したいと思います。あいーともおすすめしたいと思います。
H. H. –
検査食にこれだけ大きな差があるとは思っていませんでした。多くの現場に訪問していますので、評価を同等にするための理解を深めることができました。
S. T. –
栢下先生の講演は今回で3回目でしたので、理解が深まりました。VFの検査食が基準外が多い事に驚きました。広島県歯科医師会館でのVF検査食の物性を調べてみます。
K. T. –
70歳以上の人においては、BMIが25以上でも死亡率が低くなるというのは、とても興味深かったです。」「とろみ」についてで、どの程度から強すぎたり、弱すぎたりするのかがわかりづらかったです。