講座抄録
近年、歯科領域を超えて医療・福祉・介護の現場においても口腔ケアの重要性が叫ばれております。これは、誤嚥性肺炎の予防、口腔機能向上、摂食嚥下リハビリテーションを語るうえで歯科衛生士による専門的口腔ケアが再認識されたためです。専門的口腔ケアとは単なる歯磨き、入れ歯磨きではなく、摂食嚥下リハビリテーションまでを踏まえ、誤嚥性肺炎が予防できる口腔ケアであること、そしてその結果が、可能な範囲での食支援につながることが求められます。
実技セミナーでは、『歯科衛生士のための体験セミナー』と題し、現状評価とアドバイスの方法、また口腔ケアを始める前の情報収集についてお話しさせて頂きます。また、口腔ケアの手技、口腔ケアリハビリテーション介入方法について解説致します。
実技の内容は、口腔ケアや食事の際のポジショニングの方法を解説し、受講者の方には、実際に患者になり体験して頂きます。介護用ベッドを用い、ポジショニングの重要性を体感して頂きます。専門的口腔ケアとは何か~を踏まえ、誤嚥性肺炎を予防する口腔ケア、ポジショニングとケア中の水の交換の必要性を解説。また食支援の一助として、頚部聴診や摂食嚥下リハビリテーションも体験して頂きます。口腔リハビリとして表情筋マッサージを行う際の圧力などを実際に体験して頂きたいと考えております。
セミナー内容の一部をご紹介すると・・・
- 表情筋マッサージの術式と圧力のかけ方(受講者全員に平松先生が実施します)
- 口腔ストレッチ
- 肩・頸部可動域訓練
- シャキア・嚥下おでこ体操
- マサコマヌーバー法
- ブローイング訓練
- 頸部聴診法
- ポジショニング設定法
- 手作りクッションと足底接地
- 口腔ケア一連の流れ
- 一口量の確認方法
- 食形態の選び方(バナナを使って)
- 食事観察のポイント
- 術者自身の体のメンテナンス(体を壊さないための必須知識)
- 介護ベッド体験(実物を使います)
- 実践!アンチエイジング