講師からのメッセージ
このセミナーでお伝えする内容の一部をあげるとすると・・・
- 訪問診療の対象患者の特徴
- 治療を控えるべき症例とは
- リスクの高い患者さんの見分け方
- 全身状態の評価方法
- 最低限必要となるこれだけのモニタリング機器
- 合併症を起こさせないためには何が必要か
- 精神的緊張を最小限にする方法とは
- 紹介状の書き方のポイント
- 基本的な心肺蘇生法
- 救命の連鎖とは
- 心肺蘇生の注意点
- 特に注意すべき8つの偶発症
講座抄録
高齢社会の到来で、我が国の歯科診療も、高齢者歯科、訪問診療、口腔ケア、摂食機能療法といったキーワードが聞かれるようになった。その中でも、歯科訪問診療は、従来の歯科診療スタイルとは異なり、多くの因子が関連している。対象者が外来受診できないことから、全身の疾患や障害だけでなく、口腔機能も障害されていることが多く、多くは自分自身の口の健康を保持できない。そこで今回は、患者さんの状態に応じた適切なケアとリハビリテーションを提供して、口腔の環境と機能を改善する手法についてお話したい。
患者さんの病態を知る~自然療法医学と舌診のすすめ~
欧米では、医師、歯科医師のほかに「自然療法医」の養成が始まっており、アメリカでは、国立自然療法医科大学も創設されている。アジアでは、同様な医療者として「中医」が中国や台湾で養成されている。これは、西洋医学では困難な、自然治癒力を向上させる医療の重要性に気づいてきたからで、患者の状態を自然治癒力の観点で評価する手法も今後は重要になると思われる。舌には、全身状態が反映された所見が多くみられ、舌粘膜の状態、舌乳頭の状態、動き、唾液の分布状態から推測できることから、要介護者の全身と口腔の病態を理解して、訪問診療に生かす知識と技術について説明します。
口腔ケアが口腔環境と口腔機能を改善する
口腔ケアは、当初、口の清掃技術の延長と考えられていたが、近年では、口腔の環境と機能を改善して全身状態を向上させる知識と技術と理解されるようになった。その結果、口腔ケアの効果が口腔領域にとどまらず、誤嚥性肺炎の予防や全身状態の改善にも有益であることが知られるようになった。
口腔のケアとリハビリテーションを効果的に提供するには、要介護状態でみられるストレス反応への正しい認識と効果的な改善法の知識と技術が不可欠で、また、口腔ケアや口腔リハビリテーションと関連する内分泌系の働きや血液や体液の流れも重要な因子となる。
病態に応じた義歯調整と筋エネルギー療法を応用した口腔機能向上
歯科訪問診療は、生活の場で歯科診療を提供することが多いが、生活の場は、全身の機能や状態によって決まるといっても過言ではない。したがって、訪問診療のゴールをどこにするのかが重要で、「食べる・話す・味わう・伝える」という口腔機能と口腔環境の状態を把握して、目標とするゴールを予測すると効果的である。とくに、上半身の筋機能は口腔機能にも関連しており、歯科治療の提供だけでなく、病態に応じた食事指導や運動処方、生活指導を提供する観点から、口腔機能の改善に役立つ義歯調整法と筋エネルギー療法について解説します。
全国4カ所のサテライト会場でも受講可能です
日本訪問歯科協会の認定講座は、Ustreamで全国5か所の会場へライブ配信をしています。
メイン会場は東京。名古屋、大阪、広島、福岡にサテライト会場を設け、動画・音声配信システムを使っておこないます。サテライト会場では、回線を通じてメイン会場をスクリーンに映し出します。
メイン会場は複数のカメラで撮影し、プロジェクターに映すものと、講師を映すものを専門のスイッチャ―が切替するので、ただ単に講師とスライドがスクリーンに映っているという退屈なものにはなりません。音声もクリアです。
つまり、東京と同じ環境を全国のサテライト会場でも実現できるわけです。
森 晃史 –
ご自身の入院体験に基づく具体的な内容と思われますので、是非お聞きしたかったです。
S. O. –
第1部だけの評価ですが、漢方薬の有効性がとても参考になりました。
K. I. –
今日の講演を活かし、患者さんに触れて病態を把握して、毎日の診療に取り組みたいと思います。
K. T. –
舌診については興味が以前からあったのですが、むくみからの義歯の不適合がくるというお話が印象に残りました。
M. U. –
筋力へのストリッピング法など、口腔周囲筋へのマッサージの方法の幅が広くなっていたことすごく良かった。
H. T. –
柿木先生の講座は以前(入院前)から大変に感銘を受けていました。倒れられたとお聞きし、ご復帰されたと耳にし、受講いたしました。入院された実体験等もわかりやすく大変に参考になりました。
M. K. –
今回の勉強会で今まで以上に訪問診療の際に患者さんのことを考え、1つ1つの治療を行っていくことが大切だと感じました。経験は浅いですが、今回のお話を聞いてより楽しく診療にのぞめそうです。ありがとうございました。
永井 敏 –
治らない疾患(慢性疾患)に対処するための自然療法の考え方を学ぶことができ有意義な講演でした。
A. K. –
筋肉の診かた、薬剤について
小川 敢 –
くも膜下出血での長期入院のご経験のある柿木先生ならではの患者としての立場、気持ち、考え方を数多く知ることができて、とても良かったです。また舌診についての内容もあり、舌の見方が変わりました。
辻 康雄 –
薬剤の全身的影響、漢方薬の使用方法
T. N. –
「知識」・「技術」ともに、「心」が、人を治す。
M. S. –
薬に頼ることだけでなく、自然な治ゆ力を考慮した診療の必要性が理解できた。
M. I. –
漢方薬についてもっと聞きたかった
E. F. –
筋の事を今一度勉強しなおして診療に役立てたいです。漢方の事は全く知らなかったので勉強になりました。
H. N. –
対症療法になりがちな事柄に対して、病態をしっかり理解して、原因療法に努めるという視点が良かった。
M. I. –
寝たきりでも義歯装着(1日中)するということ。嘔吐反射をおさえるツボを知れてよかったです。安定剤睡眠剤の使用で肺炎を発症リスクあげるなど、すごく勉強になりました。
M. O. –
むくみやすい体質、むくみにくい体質の話が、とても興味深く、さっそくそういう視点で患者様をみて、さわってみたいと思いました!!
M. Y. –
東洋医学的な考え方、とてもよく理解できました。
吉原 秀明 –
口腔ケア時の病態の改善の仕方やアプローチの考え方(漢方薬)がためになった。
H. K. –
”夜間、義歯を外すのは良くない”等、目からウロコが落ちる話を多く聞けてよかったです。漢方薬の処方や、筋マッサージをさっそく取り入れたいと思います。
H. M. –
浮腫による障害が非常に参考になりました。
Y. M. –
筋肉とムクミの関係、これらが関係あることがわかりました。筋肉の解剖、マッサージ方法の具体的なスライドがありよかった。