講師からのメッセージ
このセミナーでお伝えする内容の一部をあげるとすると・・・
- 義歯に対する治療のポイント
- 義歯製作のコツ
- 義歯調整のチェックポイント
- 義歯難症例に対する治療のヒント
- 構音障害ならびに摂食・嚥下障害に有効な義歯の解説
- 義歯を簡便な操作で短時間に仕上げるための工夫
- 難症例に対する柔軟な対応方法
- 歯科医院に搬送して治療を行う必要のある患者の見分け方
- 入院治療を依頼する状態の見極めと選択方法
- DOS(疾患治療中心型医療)からPOS(患者さんの意向を尊重した医療)への転換と、いま歯科が求められていること
講座抄録
超高齢社会の日本では、高齢者福祉の充実が図られています。介護保険などの法整備も整い、在宅介護や在宅医療が始動するなかで、歯科界でも訪問診療は社会的ニーズとして注目されています。厚生労働省は、要介護状態の未然防止と医療費削減という両面から、介護予防を重視する制度改正を行いました。歯科界では「口腔機能の向上」すなわち口腔リハビリテーションが介護予防サービスのひとつとして導入されました。そのリハビリテーションにおいて、義歯装着が効果的であることは、すでに多くの報告があるところですが、義歯は人工物だけに難点もあります。訪問診療時の患者さんの義歯に対する訴えでよく耳にするのは、「はずれる」「噛めない」「痛い」の3つであります。今回の講演では、以下にありますように、まず始めにこのような義歯に対する治療のポイントにつきまして解説致します。その後、義歯製作のコツを述べさせていただき、最後に、構音障害ならびに摂食・嚥下障害に有効な義歯の解説をさせていただきます。
ただ,その中には技術的にも特殊で,目新しい方法と言うものはありません。訪問診療での義歯調整や製作も可能なかぎり院内で行う方法を基本としています。そこに,個々の患者さんの機能障害の有無や程度等のバックグラウンドを理解し、患者さんのパーソナリティを尊重しつつ、限られた器具材料を駆使して、義歯を簡便な操作で短時間に仕上げるための工夫を加味していくことになります。また、訪問診療で困難なケースに遭遇すれば、無理をせず、歯科医院に搬送して、治療をすること、また、総合病院、大学病院に入院歯科治療を依頼するといった方法を選択することや、ケアだけで処置をしないという方法も含めて柔軟に対応できることが求められます。
何よりも、患者さん本人、ご家族、主治医、看護師を始めとしたチーム医療としてのコミュニケーションがもっとも必要であることは言うまでもありません。一言で言うならDOS(疾患治療中心型医療)からPOS(患者さんの意向を尊重した医療)への転換が如実に求められているのが訪問診療であり,QOLを支える一つの大きな柱であると思います。
訪問診療では,患者さんにやさしい治療を心がけることがすべての治療段階で優先し,なおかつ求められるますが、その結果,治療内容が疎かにならないようにしなければなりません。ここでお話しさせていただくポイントが、先生方の訪問診療の一助となれば幸いです。
- 義歯調整のチェックポイント
- 義歯製作のチェックポイント
- 義歯難症例治療のヒント
- 構音障害ならびに摂食・嚥下障害に有効な義歯の解説
全国4カ所のサテライト会場でも受講可能です
日本訪問歯科協会の認定講座は、Ustreamで全国5か所の会場へライブ配信をしています。
メイン会場は東京。名古屋、大阪、広島、福岡にサテライト会場を設け、動画・音声配信システムを使っておこないます。サテライト会場では、回線を通じてメイン会場をスクリーンに映し出します。
メイン会場は複数のカメラで撮影し、プロジェクターに映すものと、講師を映すものを専門のスイッチャ―が切替するので、ただ単に講師とスライドがスクリーンに映っているという退屈なものにはなりません。音声もクリアです。
つまり、東京と同じ環境を全国のサテライト会場でも実現できるわけです。
森 晃史 –
臨床に即対応できる貴重なお話でした。ただ音声が聞き取りにくい事が少し残念でした。臨機応変の大切さを学ばせていただきました。
Y. A. –
義歯のガタつきの主な原因、小臼歯といることで、調整の仕方がわかりました。
Y. T. –
咬合調整では困る事が多かったので、明日の診療時からトライしてみようと思います。
R. J. –
義歯床は広くと思(できる範囲で)ってやってきたので、少し考えたい
A. K. –
安定剤の有効性がわかりました
M. K. –
訪問診療のちょっとしたヒントがたくさんあり、早速明日からの臨床で活用できそうです。
N. M. –
本日はお休みのところ貴重な講演をありがとうございました。
T. N. –
何でもやってみる。
M. S. –
訪問ではいろいろな工夫が必要だということが理解できる講義でした。
T. E. –
ちょっとした義歯関連の処置のもやもやしている部分がスーッと晴れ渡った感じ
Y. K. –
義歯のガタつきを小臼歯部の頚側を削合することにより、歯槽頂間線に業せることでガタつきを軽減させる
T. K. –
咬合高径、顎義歯、PAP、PLP
E. F. –
咬合高径やバイトの取り方など初めて知ったこともあり大変勉強になりました。ありがとうございました。とてもわかりやすかったです。
辻 康雄 –
往診にすぐ利用できるヒント、アイディアがたくさんありました
永井 敏 –
義歯の具体的な調整方法、印象、咬合採得の方法の変化などわかりやすく説明して頂き有益でした。開業医ではふだん目にできない顎補綴のお話も参考になりました。ありがとうございました。
永井 知子 –
義歯の調整及び修理など細部に渡り、詳細に丁寧な説明を頂き理解し易い内容で、大変参考になりました。
長谷川 浩之 –
訪問診療における様々な義歯の調整等
宮井 久敬 –
片側性咬合平衡の臨床的な考えが理解できた
I. N. –
下顎義歯が脱落してしまう事に対して、前歯部を舌側移動させるというのはなるほどと思いました。
R. K. –
日常臨床におけるいろいろなヒントを教えていただけました。
T. S. –
義歯の調整に関して、長期使用及び、長期経過にすこ生体の変化を受け入れて大きな変化を与えていない様によるという事にしました。
T. M. –
今まで顎補綴や口蓋補綴について具体的に作り方まで説明された先生はいなかったので良かった
T. Y. –
まずは今のFDを快適にとのお話
K. K. –
咬合高径を決める所を、ていねいに行い、小臼歯部分がしっかりかめる様にすれば良い事、総てを行ってもだめな時は安定剤を使ったら良いことをシンプルに教えていただけた。ひき出しをふやし、工夫しながら患者さんに使っていただけるよう、義歯と取り組んでいきます。