講師からのメッセージ
このセミナーでお伝えする内容の一部をあげるとすると・・・
- 患者さんが口を開けてくれないとき、どのように工夫すればいい?
- 「食べないから入れ歯は外しておいていい」ではなく「なぜ食べないのか」を考えよう
- 意識障害のある方や認知症の方とコミュニケーションをとるためのアプローチとは
- 歯科衛生士に求められる「繊細な感覚」
- 患者さんの全身の様子を観察することの重要性
- 患者さんに拒否されずに口腔ケアをおこなうコツとは
- チーム医療の一員としての口腔管理における役割
- アロマセラピーを活用した口腔ケア
- 経口摂取に結び付いた症例
講座抄録
平成23年口腔保健の推進に関する法律が公布され、地域包括医療、ケアの現場においてもスムーズな医科歯科連携が重要になり、今後益々、我々歯科医療従事者は、病棟、施設、在宅の現場で医学的管理下および様々な看護、介護サービス利用下における寝たきりや高齢、障がい者の口腔管理を担うことが急務になるといえます。
しかしながら、病棟、施設、在宅、それぞれの生活環境は大きく異なり、様々な全身疾患や認知症、意識障害などが背景にある患者のケアは容易ではなく、介護度に応じてケアにかかわる職種や家族も個々に大きく違いがあるといえます。
病棟や施設、在宅の現場から多く寄せられる質問の中に、義歯の使用やくいしばり、開口困難、口腔ケアの拒否などがあげられます。
「食べないから入れ歯は外しておいていい」、「口が開かないから入れ歯は調整しない」、「入れ歯を嫌がるから外しておく」、「口腔ケアをさせてくれない」ではなく、「なぜ、食べないのか?」「なぜ口が開かないのか?それとも開けない?のか」、「なぜ、入れ歯や口腔ケアを嫌がるのか?」に視点を改めることで、口腔や口腔以外に色々な原因を見つけることができます。
個々の患者のQOLを向上させるための効果的な口腔管理には、正しいアセスメントと必要時の歯科治療、口腔ケアおよび口腔リハビリテーションの技術が必要で、口腔機能に関する情報の共有など、スムーズな職種間、家族との連携が重要です。
訪問ケアを必要としている患者を支えるチーム医療の一員として、口腔管理における役割を認識し、健常者とは異なる、寝たきりや高齢、障がい者の状態、背景にある疾患、口腔や口腔機能に関する問題、心身の状態をアセスメントし、個々の状態に応じた口腔ケア、口腔リハビリテーションを計画的に行っていくことは、具体的には、健康の入口である口腔から全身を捉え、口腔内の環境を整えて口腔機能を回復、維持、向上させていくことであり、感染症予防のほか、発声、発語、意思の疎通、会話、笑顔、コミュニケーションにつながり、意思が意志に変化し、経管栄養から経口摂取への移行、味わう、飲み込む、食べる、家族と一緒に食事をしながら笑顔で会話ができるなどの状態につながるものでなければなりません。
意識障害・認知症患者ではコミュニケーションの考え方やとり方が健常者とは異なりますが、これらを再認識することから始めて、口腔に関する問題のアセスメントから、脱感作、口腔ケア、口腔リハビリテーションなどを行い、経口摂取に結びついた例を紹介しながら、お話させていただきます。
全国4カ所のサテライト会場でも受講可能です
日本訪問歯科協会の認定講座は、Ustreamで全国5か所の会場へライブ配信をしています。
メイン会場は東京。名古屋、大阪、広島、福岡にサテライト会場を設け、動画・音声配信システムを使っておこないます。サテライト会場では、回線を通じてメイン会場をスクリーンに映し出します。
メイン会場は複数のカメラで撮影し、プロジェクターに映すものと、講師を映すものを専門のスイッチャ―が切替するので、ただ単に講師とスライドがスクリーンに映っているという退屈なものにはなりません。音声もクリアです。
つまり、東京と同じ環境を全国のサテライト会場でも実現できるわけです。
S. M. –
最後の症例で寝たきりの方がすばらしい回復をされ、DHの仕事のやりがいと重要性が再認識できました。ありがとうございました。
R. T. –
歯科衛生士が患者様の生活クオリティを向上するお手伝いがいかに出来るかを認識でき、やりがいを感じることができました。今後の訪問診療にぜひ活かしていきたいです。
河村 舞 –
DHから見た医科への連携の仕方が非常に分かりやすかったです。アロマについてや、口腔周囲筋のマッサージの仕方など個人的にもっと勉強したいなと思いました。
S. T. –
先生のお声、お話のペースがとても耳にやさしく又、自分が担当している胃ろうを造設された特養の患者様の様子に合わせ興味深くとても参考になりました。
E. T. –
写真が見やすく分かりやすい資料で先生の講義も臨床の体験をとても分かり易く説明して下さり、ためになりました。家でもう1度読み直して今後の仕事に今日の講義を役立てたいと思います。
Y. K. –
カンジタ症や施設での歯科衛生士の役割。現在聞きたいことがいっぱいありましたが、それに答えて下さいました。ありがとうございました。
C. S. –
デンタルアロマについて以前より興味がありました。香りの大切さ、そこからつながる五感に働く口腔ケアが大変参考になりました。
M. S. –
もう少し、アロマを使った口腔ケアの介入方法等を学びたかったです。
S. K. –
一緒にチームを組むDr(歯科医)などにより、ケアの質や色々なものも変わってくるのだなとも思うと同時に、自分自身の知識の幅、マッサージストレッチに必要な筋群など学ばなければいけないとおもいました。
Y. N. –
アロマやにおいで認知症の方が少しでもケアしやすくなる。私たちにとってもそうですが、患者さんにとってもとてもいい方法だと思いました。
影山 晃子 –
認知症の患者様で脱感作から入るなど五感の刺激など、なるほどだなぁと思いました。
T. H. –
病棟を衛生士1人で受けもちされていること。アロマの効果が意識障害や認知症の方にあること。
M. I. –
アロマを利用し、マッサージなどを今後していきたいので勉強していきたいと思います。
M. O. –
心によりそった診療の大切さや目標設定を明確にする大切さを学ばさせて頂きました!!アロマ認定に興味が出ましたし、口腔内カメラも院長におねだりしてみようかなと思いました・・・。中村先生に見て頂ける患者さんは幸せなんだろうな・・・と思いました!!
K. H. –
施設や居宅への訪問に加え、外来でも診療にもたずさわっておりますが、訪問も外来も基本的に日ごろから気を付けていなければならないことは同じだと思って、日々お仕事をさせて頂いています。本日の講座でお話いただきました、「患者さんを不安にさせない」特に高齢の方や障害のある方に対してはやさしい対応を心がけています。DHが行える口腔ケアやリハビリテーションによって経口摂取できなかった方が何人も経口摂取できるまで回復された症例をお聞きして、あきらめてはだめなんだな、と勇気を頂きました。また明日からがんばり
H. I. –
におい(アロマ)が口腔ケア、全身につながるのだと知り、とても興味深かったです。
Y. M. –
現場で実際的に行っている症例を紹介しており、イメージしやすかった。