講師からのメッセージ
このセミナーでお伝えする内容の一部をあげるとすると・・・
- 看護師と歯科衛生士の職域
- 看護師の観察ポイント
- 歯科衛生士の観察ポイント
- 観察ポイントの共通点と相違点
- 観察ポイントの相違点を活かした連携とは
- 看護師に口腔ケアを依頼する際に伝えるべきポイント
- 歯科衛生士と取り組む口腔ケアの実例
講座抄録
「口がきれい」というのは、職種によって認識の違いがあることを知っていますか?
看護師がきれいとおもっている口が、歯科衛生士から見れば決してきれいといえない口であったりすることがあります。それはなぜでしょうか。今回は、いくつかの画像を複数の歯科衛生士と看護師に見ていただき、「きれいな口はどれ?」対決をしていただいた結果をお知らせしたいと思います。
また、看護師にとって利用者さんの口は、全身の中の一部ととらえていますが、時に嚥下障害を有する患者さんであっても、自力摂取されていれば重要視してみていない事が多いのが現状です。
訪問看護時は他の清潔援助や医療処置のために介入することが多いので、嚥下障害を有する方であっても口腔内を覗くことがないのです。
しかし、今年度は低栄養で入院された患者さんの退院後に介入することが何例か続いたことから、生活の様子の観察のため介入することがあり、NST委員会に所属しているスタッフを中心に嚥下と栄養の評価のために訪問をしています。
この利用者さんの訪問時には、口腔内を見ることも援助の中に入れました。そしてこの介入を機に、清潔援助に入っている利用者さんの口腔内を見るようになってきています。
ただ、その見方はスタッフによって違いが大きいようです。「口を全身の中の一部ととらえる」ということは、2通りの意味合いがあります。
まずは、上記に述べたように、全身の中の一部分であるために目が届きにくいということと、もう一つは、利用者さんの全身状態や取り巻く環境によって口へのアプローチ方法を変えるというものです。
「口」はいくつもの役割をしているからこそ、その役割に関わる職種によって「口」の位置づけや見方が変わるということもお伝えしたいと思います。
「口」に関わる職種は、多々ありますが、まずは看護師と歯科衛生士が連携を取ることでどんな相乗効果が得られるかも一緒に考えていきましょう。
全国4カ所のサテライト会場でも受講可能です
日本訪問歯科協会の認定講座は、Ustreamで全国5か所の会場へライブ配信をしています。
メイン会場は東京。名古屋、大阪、広島、福岡にサテライト会場を設け、動画・音声配信システムを使っておこないます。サテライト会場では、回線を通じてメイン会場をスクリーンに映し出します。
メイン会場は複数のカメラで撮影し、プロジェクターに映すものと、講師を映すものを専門のスイッチャ―が切替するので、ただ単に講師とスライドがスクリーンに映っているという退屈なものにはなりません。音声もクリアです。
つまり、東京と同じ環境を全国のサテライト会場でも実現できるわけです。
I. N. –
多職種との連携は必要な事を感じています。歯科は他よりもやはり距離がある気がします。カンファレンス等の際声かけをお願いしても皆無、行政関連にしてもこちらから強くお願いすることにより、以前よりは良くなったと思いますが、もっと口腔ケア・歯科治療の必要性を訴えていきたいと思います。
T. Y. –
他職種の方との連携は難しい(会う機会がないなど)とは思いますが、必要不可欠だと思いました。
M. K. –
この口きれい?の話で、Aの患者さんの口の中はきれいであると私も思いました。詰め物が外れている部分や、舌の形状の溝もありケアが難しそうなのに、よくきれいにできているなと思いました。連冠の部分はフロスも通せないだろうにと感心しました。
T. S. –
病院への訪問をしています。ケア前の吸引を看護師さんへお願いすることはありますが、前後両方となると吸引チューブのコスト的にも申し訳ないかと思い、歯科用の唾液を吸う物を病院の吸引器に接続して吸引しながらケアをしますがやはり吸引チューブをあまり頻繁に使っていただくのはご迷惑な事ですが?
M. O. –
個別の症例、対応のし方など、とても勉強になりました。家族の背景を知ることで多くのことが得られることに気がつきました。お茶の時間も大切にしたいと思いました。
M. S. –
看護師さんにも歯科衛生士という職業を認めてもらえるのだという事が一番印象的でした。今まではその様に言っていただいた事がありませんでしたし、私自身も壁を感じていました。
K. M. –
口腔ケアだけでなく多職種とのコラボ(連携)の大切さを再認識いたしました。これからどんどん連携できるようになるといいと思います。
芦田 浩子 –
他職種とコラボすることはすごく大切なことだと知っていながらなかなか実行に移せていない現状があります。少しずつでも自分の役割の重要性を伝えられたらと思いました。在宅・施設でやっていかなければならない家族との会話、ケアマネ、施設スタッフとの連携がんばりたいと思います。
K. F. –
現在病院や施設に口腔ケアにうかがっていますが、他職種とのコラボは難しいです。それぞれの業務があり、その中で時間をもうけるには互いに歩みよることが必要であると思いました。
T. M. –
全体像を捉えると今まで一言で言っていたがそれが病像・生活像・社会像から成ることが分かり、それにより全体像を知ることができると思った。ケアの着地点をADL、生命(機能維持)QOLに分けて考えることについてこれまでの考えが整理できたのでよかった。