摂食嚥下リハ
摂食嚥下リハビリの成功に欠かせないのが、患者の栄養管理です。
摂食嚥下機能が低下した患者の多くが低栄養状態にあるため、適切な栄養量アップを合わせたリハビリを行わないと、低栄養が進み、摂食嚥下機能がさらに低下する恐れもあります。
ここでは、在宅の訪問診療で患者の栄養量アップに役立つアイデアをいくつかご紹介します。
栄養補助食品 活用のポイント
栄養補助食品は液体やゼリータイプ、ブロックや粉末、佃煮のようなものまで、栄養成分や量の違ったものが多くあるため、患者の栄養量アップには便利な食品です。
その一方で、栄養補助食品なの種類が多いため、どれを選んだらいいか悩むかもしれません。
摂食嚥下機能に合わせたものを選ぶのはもちろんですが、使い続けられるように、患者の疾患や嗜好、味、コストなどを総合的に勘案して選ぶのが大切です。
頻回食が有効
摂食嚥下機能が低下している患者の多くは、一度にたくさんの量を食べられません。
このため、栄養量アップには食事の合間の頻回食が有効です。
高齢者に好まれる感触のおやつとしてはアイスクリームや洋菓子があります。いずれも高カロリーで手頃ということがあります。また、コンビニスイーツは定期的に味が変わるので飽きにくいのでお勧めです。
ただし、糖質制限のある糖尿病患者などは主治医に相談する必要もあります。
知らないうちに栄養を付加できる脂質
脂質は糖質やタンパク質よりもエネルギーが高く、いつもの料理に油やマヨネーズ、バターを加えるだけでエネルギーアップができます。
よく耳にするMCTオイルは消化吸収が良く、エネルギーになりやすいことに加えて、味を変えにくいためお勧めですが、熱に弱いので、食前に加えるのが効果的です。
在宅の食支援と言うと、食形態の変更や一口量の調整、とろみ付けなどもありますが、栄養量アップにも気を付ける必要があります。
栄養量アップは調理方法だけでなく、栄養補助食品を追加したり、おやつなどを利用したりすることでも達成できます。
患者の栄養管理にも目を配ることで、摂食嚥下リハビリの成果につながります。
歯科だけで対応できない場合には、主治医やケアマネに相談して管理栄養士との連携を模索してはいかがでしょうか?
この講座を観ることで得られることは…
- 摂食嚥下リハビリで成功するために欠かせない栄養量アップの方法
- 管理栄養士の秘訣を公開! 摂食嚥下機能に合わせた食形態の調整方法
- 在宅患者に好評な超簡単・便利な栄養量をアップする“おやつ”とは?
- 管理栄養士が伝授。とろみの付け方やミキサー食の作り方のコツ
- 在宅における訪問管理栄養士との連携がイメージできるようになります
この講座の内容
Part1:訪問栄養食事指導で行う食支援について(講義)
訪問栄養食事指導の制度について
- 訪問栄養食事指導とは
- 在宅で介入する食支援の内容
- 在宅療養要介護高齢者における栄養障害と摂食・嚥下障害の状況
栄養評価について
- 栄養評価について
- 在宅での栄養評価
- MNA-SF
- 低栄養に気が付く:体重
- 低栄養になる原因をみつける
栄養量をアップするポイント
- 栄養補助食品
- 間食、補食(頻回食)
- 脂質の利用
- 食形態を見直す
- 食事を食べやすくする工夫
食事を食べやすくするポイント
- 摂食嚥下機能にあわせた食形態の調整
- まとまりを良くする食品
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会分類2021(食事)
- UDF:ユニバーサルデザイン
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会分類2021(とろみ)
- とろみの付け方
- ミキサー食の作り方
- 食形態を工夫して見た目を楽しむ
- 習熟度テスト
Part2:訪問栄養食事指導での実際の食支援(潜入動画)
- ST訪問に合わせて訪問栄養食事指導
- 体調や体重確認、注入状況の確認
- 体組成測定
- ミキサー食の調理
- 食事観察
- 水分とろみの調整
- 食事観察
- 習熟度テスト
- まとめ
などなど。


S.N. –
食事以外の間食で栄養補強については興味深くよかった
S.N. –
訪問診療において、歯科は管理栄養士との連携が特に重要だということは聞いていましたが、この講義を聞いて自分の中でより整理されて確かなものになったような気がします。以前「施設の口腔ケアを任されたら、まず最初に患者さんのBMIを調べなさい」と言われた意味が、やっと分かりました
Y.K. –
低栄養への気づきや原因の特定、その後の栄養状態安定へのアドバイスについて勉強になりました。潜入動画では、管理栄養士さんの患者さんとのコミュニケーションも大事だと感じました
R.D. –
栄養不足の患者さんへの食形態の方法が参考になりました
M.S. –
人それぞれに合わせて食形態の調整をしていく方法が動画を通じて理解できた