「急性期と慢性期でリハビリが違う?」
「疾患の状態として、急性期なのか、慢性期なのか、それとも終末期なのか。それによって対応方法を変える必要がある」
岡山大学病院の村田先生はこう言います。
「終末期には、がんばってどんどん良くしましょうという対応策は、まず取らない。急性期で、これからどんどん疾患も回復していくなかで、『じゃあ、リハビリはちょっとあきらめましょう』ということにもならない」
病期によってどういう方法を選択するか。
それと同時に、疾患や状態によって、摂食嚥下リハビリテーションの方法も検討しなければなりません。
では、患者さんに、どのようなリハビリをしていくと良いのでしょうか。
そこで、「摂食嚥下のリハビリ」を学ぶのに役立つDVDのご紹介です。
岡山大学病院の村田先生は、長年、摂食嚥下のリハビリに取り組んでいます。
このDVDでは、摂食嚥下の基礎知識から、嚥下訓練の方法、検査指示の入らない患者さんの評価やフローチャートで学ぶ摂食機能療法、障害部位別リハビリの方法など、訪問の現場で役立つ知識を解説しています。
また、摂食嚥下障害のある患者さんのVE、VFの動画が豊富なので、誤嚥の仕組みが一目でわかるので、スタッフの知識を深めるのに役立ちます。
収録したセミナーの内容の一部をご紹介すると・・・
Part.1 食べるための機能・評価
- 歯科医療は高齢者型に
- 生活機能の破綻は口から始まる
- 口腔機能を見直す
- 摂食嚥下のプロセスモデル
- 摂食嚥下障害はどのように起こるか
- 高齢者にみられる口腔機能の変化
- 筋力低下(口唇、舌、顎の筋)
- 感覚低下(触圧覚の低下、痛覚が鈍る、温度覚の低下)
- 視覚低下(生理的変化と病的変化)
- 聴覚低下(音の識別困難、老人性難聴)
- 味覚低下(味蕾の減少、服薬、唾液分泌低下、舌苔)
- 嗅覚低下
- 嚥下機能の加齢変化
- 喉頭拳上が不十分
- 食道入口部の開きが不十分
- 摂食嚥下障害の原因
- 摂食嚥下機能の評価
- 全身状態
- 基本的内容(身長、体重、年齢、性別)
- 現病歴と既往歴
- 服薬状況(意識レベル低下、唾液分泌の低下、運動機能の阻害、粘膜障害)
- 栄養状態(摂取方法)
- 活動レベル(自立度、コミュニケーション能力)
- バイタルサイン(熱、脈、血圧、呼吸)
- 口腔内の状況
- 食事摂取状況(栄養摂取自立度、栄養量、水分量、食べる姿勢、ペース、食具)
- ミールラウンドのチェックポイント
- 嚥下機能のスクリーニング
- 反復唾液嚥下テスト
- 改訂水飲みテスト
- フードテスト
- 頸部聴診検査
- 咳テスト
- 機器を用いた評価
- 嚥下造影検査(VF)
- 嚥下内視鏡検査(VE)
- 嚥下機能のスクリーニングの注意点
- 全身状態(意識レベル、呼吸、バイタルサイン)が安定しているときに実施
- 口腔内(唾液分泌、衛生)状態の確認
- その他の評価方法
- 会話明瞭度検査、構音検査
- 交互運動能力検査(オーラルディアドコキネシス)
- 鼻咽腔閉鎖機能検査(ブローイングなど)
- スクリーニング
- 実施困難例(指示困難、経口摂取拒否、姿勢保持不良)
- ふだんの様子で評価
- 食事場面などを利用
- 機器を用いた検査について
- 嚥下造影検査(VF)の実際の動画を見る
- 嚥下内視鏡検査(VE)の実際の動画を見る
- 全身状態
Part.2 摂食機能障害者への対応
- 対応の流れ
- 診療情報提供書の確認
- 患者の概要確認
- 主訴の確認
- 摂食嚥下機能の評価
- 問題点の抽出
- 対応
- 考慮するポイント
- 疾患の特徴
- 発症からの時期
- 摂食嚥下障害の重症度
- 疾患や加齢との重複
- 生活環境と医療資源
- フローチャートでみる摂食機能療法の流れ
- 摂食嚥下障害の原因
- 進行性と非進行性
- 症例《主訴:口から食べさせたい》
- 78歳女性 5年前にくも膜下出血術後、入院時に胃ろう造設
- 残存歯25本、残根あり、義歯なし
- 栄養は胃ろうから注入 ジュースなどの経口摂取あり
- 対応が求められる咽頭期の問題
- 複数回嚥下(繰り返し嚥下、空嚥下、スプーンなどによる口腔内の刺激)
- 交互嚥下(ゼリー、水分等と固形物を交互に嚥下)
- 顎引き嚥下(嚥下時に顎を引く)
- 横向き嚥下(頸部回旋)
- 摂食嚥下障害の病態
- 先行期障害(認知・行動障害、情緒制御障害、介助方法の不適)
- 準備期障害(開・閉口障害、捕食障害、口腔感覚障害、咀嚼障害)
- 口腔期障害(舌運動障害、顎位保持障害)
- 咽頭期障害(嚥下反射惹起遅延、消失、喉頭閉鎖の低下、喉頭拳上不全、輪状咽頭筋肉弛緩障害)
- 基礎訓練法
- 先行期障害(食環境、手・顔などの刺激、食器・食具の工夫)
- 準備期、口腔期(頸部リラクゼーション、口唇訓練、口腔ケア、顎・舌、口腔周囲筋の運動訓練)
- 口腔期障害(舌訓練、鼻呼吸訓練)
- 咽頭期障害(プッシングエクササイズ、呼吸訓練、バルーン法 など)
- 呼吸訓練
Part.3 食べる機能の支援方法
- 摂食嚥下障害の悪循環
- 栄養管理の重要性
- 栄養不良で生じる問題
- 低栄養の診断
- 摂取量不足
- 体重減少
- 筋肉量
- 体脂肪
- 浮腫
- 握力
- 栄養アセスメント
- 食事量
- 水分量
- 栄養バランス
- 十分に腸から吸収されているか
- 発熱、出血、浮腫
- 1日に必要なエネルギー量の計算方法
- 栄養摂取方法
- 絶食が小腸にもたらす影響
- 病態別の栄養剤
- 摂食嚥下の問題点
- 食欲不振
- おいしさの記憶
- 食べる機能のコントロール
- 食事支援のポイント
- 食事介助の確認点
- 食事姿勢の基本
- 食形態の選択
- 歯科医師の役割
- 診断
- リスク管理
- 口腔内の状態を把握する
などなど。
他にも盛りだくさんの内容となっています。
このDVDを観ることで得られることは・・・
- 摂食嚥下障害別に豊富なVF、VEを用いた説明があるので、初めての症例に遭遇しても慌てずに正確な診断ができるようになります
- 摂食嚥下5期モデル毎の症状例がわかるので、どの部位に障害があるのか、といった当たりをつけやすくなります
- 高齢者の摂食嚥下障害の主な原因がわかるので対策を立てやすくなります
- 患者さんの疾患で知っておくべきこととは?その疾患が進行性か非進行性かによっても対応方法を変える必要があります。
- ケアマネから訪問診療の相談があった時に真っ先に診るべき項目がわかり、適切な診断ができるようになるので、ケアマネからの信頼が厚くなります
- 患者さんの食事観察でチェックすべきポイント。これを確認するだけで、誤嚥を防いだり、栄養状態を改善できるようになることがあります
- 現場で対応が求められる咽頭期の問題とその対処方法がわかるので、その場で誤嚥防止や栄養改善の指導・助言ができるようになります
- 摂食嚥下スクリーニング時に気を付けるべきこと。患者さんの状態によってはスクリーニング・テストを行うことが危険な場合があります。そんな時の対処方法がわかります
- 摂食嚥下機能障害別の訓練・対応法がわかるので、患者さんの状況に応じた適切な訓練・対応ができるようになります
- 患者さんの栄養状態と摂食嚥下機能の状況を把握できるようになるので、患者さんに最適な食事指導や摂食嚥下リハビリ方法を提案できるようになります
- 食事介助の確認点と注意点がわかるので、在宅患者さんの介助を見た時に、適切なアドバイスができるようになります
- 胃食道逆流症患者さんへの対処方法がわかるので、患者さんの症状を緩和できるようになります
- 誤嚥しやすい食事の姿勢と正しい姿勢の違いをVF画像で確認できるので、自信を持って患者さんや介護者に指導できるようになります
などです。
加地 彰人 (承認) –
基本的な事から応用までとても勉強になりました。
F.A (承認) –
摂食機能療法の具体的なやり方がわかってよかった
I.E (承認) –
5期モデルの再確認しました。
M.T (承認) –
総論的内容で、知識を再度整理することが出来た。
兒玉 敏郎 (承認) –
もう少しリスク管理を具体的にまとめてほしかった
正畠 昌幸 (承認) –
出来れば実習セミナーをお願いしたい。
庄 昌彦 (承認) –
動画が多用されていてわかりやすかった。
M.H (承認) –
摂食嚥下障害の病態と基礎訓練法がよくまとまっていて、頭の中が整理できました。
Y.Y (承認) –
それぞれの嚥下障害のレベルや段階の違いに応じて、具体的な対応についてわかりやすくまとめられていました。
Y.H (承認) –
動画が豊富で分かりやすかったです。
N.I (承認) –
直接訓練は日頃の治療に大いに役立つと感じた
K.H (承認) –
摂食嚥下リハビリテーションの基本から、症例写真や動画、VF、VEも見られて、具体的でわかりやすかったです。今後、診断・評価をしっかり行い、訓練を指導したいと思います。過去のおいしかったであろう食事を再現して、おいしく安全に食事ができる事を目標としたいと思います。
T.T (承認) –
嚥下に対して積極的になれませんでしたが、必要性を感じるようになりました。
M.Y (承認) –
摂食嚥下リハビリテーションの奥の深さをあらためて知りました。現在、訪問診療を行っておりますので、日々の診療に今日のお話を活かしていきたいと思います。
M.A (承認) –
VF、VEの画像をたくさん見られてよかったです。
O.Y (承認) –
摂食・嚥下障害患者さんへのアプローチの仕方
S.Y (承認) –
すべてが包括されており、わかりやすかった。
O.S (承認) –
摂食嚥下リハビリテーションのアプローチ方法が理解できた。
T.Y (承認) –
リハの部分のみにスポットをあてた講義を更に聞きたい。VF、VE等の画像が多く分かりやすかった