収録セミナーの一部をご覧ください
患者さんが喜ぶ5つのポイント
65歳以上の高齢者の27.6%が「いつも、口が渇いている」と感じている。
口腔乾燥症の患者さんが喜ぶ、歯科治療のポイントは5つあります。
1. 可能であれば、治療前にうがいをしてもらう
2. 口角を引っ張り過ぎない
3. ミラーやコントラヘッドを湿らせる
4. ロールワッテを外すときは、湿らせる
5. ユニットを起こす前に口を湿らせる
「特に5がおすすめポイント」と新潟大学医歯学総合病院の伊藤先生は言います。
「口腔乾燥症で唾液が出ない患者さんは10分、口を開けていると、もう舌がカラカラです。舌が口腔底に張り付いてしまい、頰粘膜も歯牙に張り付いています。ユニットを起こされて、うがいの水を待つ間、患者さんは閉じたくても口が閉じられません。そこで、ユニットを起こす前にスリーウェイシリンジなどで、シュッとスプレーする。患者さんはその水を使って口を閉じることができるので、大変喜ばれることが多いのです」
この講座では、高齢者に多い口腔乾燥症の原因、診断方法、治療法が解説されています。また、歯科で処方できる漢方薬についても、基礎的な知識から、現場での診断方法まで紹介されています。
さらに患者数30万人と推定される味覚障害についても、その原因、検査方法、全身疾患との関連、最近、認可の降りた新薬についても解説されています。
セミナー参加者の声をお聞きください
口腔乾燥症の診断と治療が体系立てて解説されていてわかりやすかった
収録したセミナーの内容の一部をご紹介すると・・・
はじめに
- 食べるために必要なこと
- 咀嚼できる
- 嚥下できる
- おいしく食べるために必要なこと
- 唾液が十分、分泌される
- 味を感じることができる
- もし、唾液が出なかったら
- 水分で流し込まないと嚥下できない(水分で満腹となり低栄養の危険性)
- 歯のまわりに全部ついてしまう(咀嚼しづらい、人前で食べたくない)
- 舌が痛くて食べ物がしみる
- もし、味を感じなかったら
- 食欲が出ない
- 低栄養
- 受診の必要性に気づくのは歯科医師の役目
- ドライマウスの認知度はあがっているが・・・
第1部 口腔乾燥の定義
- 定義
- 広義の口腔乾燥症=ドライマウス
- 狭義の口腔乾燥症=唾液分泌低下症
- くちのかわき外来の患者の訴え
- 口がカラカラする
- 水が手放せない
- 舌がひりひりする
- 口の中がネバネバする
- しゃべりづらい
- 乾いたものが食べづらい
- 唾液の役割
- 消化作用(アミラーゼとリパーゼ)
- 円滑作用(食塊形成補助、会話時の舌、口唇、頰の動きを補助)
- 緩衝作用(酸の中和)
- 味覚発現作用(味物質が唾液に溶解して味蕾に届く)
- 抗菌、殺菌作用
- 抗脱灰作用
- 保護作用
- 排泄作用
- 水分平衡作用
- 唾液分泌をわかりやすく説明する
- 唾液分泌支配
- 交感神経(タンパク質を含む唾液)
- 副交感神経(水分を含む唾液)
- 薬剤性の唾液分泌低下
- 口腔乾燥症の検査
- 問診、視診、触診
- 口腔乾燥感、飲水切望感、咀嚼困難感、目の乾燥、関節痛、発汗、睡眠など
- 唾液の性状、舌の状態
- 唾液腺の膨張、圧痛の有無、唾液流出の有無
- 唾液分泌量の測定
- 吐唾法
- ガムテスト
- サクソンテスト
- 画像検査
- CT
- 唾液腺造影
- 超音波検査
- 血液検査
- 口唇生検
- 問診、視診、触診
- 診断のフローチャート
第2部 口腔乾燥症の治療
- 症状別保険適用される薬
- 薬物療法
- 唾液分泌促進剤を処方する際の注意点
- 東洋医学的アプローチ
- 口腔乾燥症に効く漢方薬
- 漢方薬の成分は?
- 煎じ薬と顆粒の違いは?
- 漢方薬は長く飲む必要あり?
- 漢方薬の副作用は?
- 歯科の保険適応のある漢方薬は?
- 人口唾液・保湿剤の種類と使い方
- 唾液腺マッサージ
- 口呼吸テープ
- 加湿
- 規則正しい生活
- 口腔乾燥症患者に優しい歯科治療とは?
第3部 味覚障害の診断と治療
- 増加する味覚障害
- 味覚と加齢の関係
- 味覚障害の分類
- 無味症
- 味覚減退
- 孤立性無味症
- 片側性無味症
- 自発性異常味覚
- 錯味
- 味覚障害の原因
- 遺伝性
- 末梢神経障害
- 亜鉛欠乏症
- 薬剤性
- 全身疾患性
- 口腔・唾液腺障害に伴う味覚障害
- 放射線性
- 心因性
- 風味障害
- 特発性
- 味覚障害の診断
- 問診
- 視診
- 一般臨床試験(血液検査、尿検査など)
- 味覚検査
- 全口腔法
- 食塩味覚閾値判定濾紙(ソルセイブ)
- 濾紙ディスク法
- 電気味覚検査
- 味覚障害の原因と治療
- 亜鉛欠乏症味覚障害の治療
などなど。
他にも盛りだくさんの内容となっています。
このDVDを観ることで得られることは・・・
- 口腔乾燥症および味覚障害の原因、診査、診断、治療法の概要がわかるので、口腔乾燥症や味覚障害にいち早く気付くことができ、患者さんの低栄養防止およびQOLの向上に貢献することができるようになります
- 唾液の分泌メカニズムと唾液分泌低下の原因、味覚のメカニズムと味覚障害の原因の詳細がわかるので、対策について主治医と協議できるようになります。また、他職種にケアの必要性やポイントを説明しやすくなります
- 専門外来での口腔乾燥症の検査・診断・治療の概要がわかるので、患者さんやご家族に専門外来を勧めやすくなります
- 口腔乾燥症の治療で用いることのできる薬剤と漢方薬の種類がわかるので、主治医に投薬について相談しやすくなります
- 種類が豊富な口腔保湿剤。患者さんの症状や嗜好などに合った口腔保湿剤がわかり、介護スタッフへ指導できるようになるので、患者さんの口腔乾燥症の改善に効果を発揮できるようになります
- 4つの味覚検査法。この方法を知れば、正確な味覚障害診断ができるようになります。そればかりか、脳梗塞などの症状を早期に発見できる可能性もあります
- 味覚障害の主要因の一つである「亜鉛欠乏症」。亜鉛の補充方法や漢方薬を使った治療方法がわかるので多職種との連携により、味覚障害を改善して患者さんの低栄養を防げるようになります
などです。
H. M. –
とてもていねいに教えていただいた。今までで一番わかりやすかった。
河田 浩幸 –
検査診断について本当によく理解できました。伊藤先生のお話は分かりやすいです。
H. K. –
基本的な事から説明していただき、わかりやすく理解しやすかったです。スライドがほとんどテキストに載っていて、助かりました。今後も活用させていただきます。漢方薬の事も知りたかったので、有意義でした。
H. Y. –
非常に丁寧な話でわかりやすい内容だった。味覚障害まで気を配って治療に臨みたい。
M. Y. –
あまり講演をきくことがない、口腔乾燥・味覚障害について、とてもていねいに講演していただいてありがとうございました。
H. E. –
ドライマウスと味覚障害は義歯や口腔ケアに追われてばかりのふだんの訪問診療ではほとんど手がまわらない分野だったので受講をためらっていましたが、とてもわかりやすく興味深い内容でした。保湿材の選び方や漢方薬についてなど勉強になりました。
E. F. –
口腔乾燥によるさまざまな症状があること、だ液分泌の仕組みなど改めて理解できました。だ液の作用や必要性を患者さんによりこまかく説明することができそうです。
I. H. –
味覚障害の診断、治療について
A. S. –
伊藤先生の声のトーンや話すペースがとても聞き取りやすく、内容がスムーズに入ってきました。介護を受けている方や介護をされているご家族の方、職員の方の負担を極力減らす事も大切なのだと再認識しました。いろいろな面でバランスが大切なのですね。
志村 彰 –
女性の先生ならではの視点からの細かいアドバイスや訪問診療上の注意点がわかりやすく、大変参考になりました。
S. M. –
口腔乾燥症は日常臨床において身近にある症例であるので大変参考になった。
S. O. –
歯科で処方できる漢方薬が理解できました。
A. F. –
亜鉛の話
I. N. –
冊子・資料がスライドに全て入っていて大変嬉しく思いました。口腔乾燥症に関して日常の治療ではなかなか対応しきれない所があったので(知識不足もあり)大変勉強になりました。