ミールラウンドに参加されていますか?
「施設の高齢者の64%が摂食嚥下障害を抱えている」という厚労省の報告書があります。
しかし、平成25年度に行われた実態調査によれば、経口維持加算を算定している施設は、全体のわずか2割。
取り組みが進まなかったわけは、「算定の単位数が低い」「嚥下機能を評価できない」「VE/VF検査を実施してくれる連携先がない」でした。
そこで、平成27年度の介護報酬改定では、単位数が大幅に引き上げられ、VE/VF検査は必須ではなくなりました。
施設が取り組む際のハードルが、ぐっと低くなったのです。
そのかわり、歯科を含めた多職種による「ミールラウンド」が重視されるようになりました。
ミールラウンドでは、口腔機能の評価、摂食嚥下機能の評価などが行われますが、歯科の介入なしではできないことがたくさんあります。
今、多くの介護保険施設は、「経口維持加算」に協力してくれる歯科医院を求めています。
歯科が算定する「栄養サポートチーム連携加算2」
ミールラウンドに参加することで歯科が算定できるのは、「歯科疾患在宅療養管理料」、「在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料」に加算する「栄養サポートチーム連携加算2(NST2)」です。
施設でのミールラウンドに参加し、管理計画を策定することで、月に1回、80点が算定できます。
施設が「経口維持加算(Ⅱ)」を算定していない場合でも、算定することができます。
患者さんの食事の様子が見られるミールラウンド
「調整した義歯がうまく使えているだろうか」
「どんな風に食べているのだろうか」
日常の臨床の中で疑問に思っていても、食事時に訪問して食べているところを見せてもらうのは、なかなか難しいものです。
しかし、ミールラウンドに参加することで、観察することができるのです。
ここで、この動画をご覧になった方の声をお聞きください
ミールラウンドで施設との連携強化
歯科医師が介入し、ミールラウンドを行うことで、患者さんの栄養状態が改善されるという報告書があります。
施設スタッフが経口摂取支援に取り組むモチベーションは
「利用者さんやご家族に喜んでもらえた」
「ご本人の栄養状態が改善した」
ということです。
実際に患者さんの栄養状態が改善すれば、「この先生ならお願いして大丈夫」
と施設スタッフからの信頼が厚くなります。
それが、新しい患者さんの紹介へつながっていきます。
このDVDの収録内容をご紹介すると・・・
- 第1章 経口摂取支援の必要性
- 介護保険施設の人の栄養状態の実際
- 経口摂取を維持することの重要性
- 多職種連携による連携がもたらすもの
- 第2章 ミールラウンドで歯科医師・歯科衛生士に求められるもの
- ミールラウンドの流れ
- 多職種での情報共有
- ミールラウンドの実施
- 多職種カンファレンス
- 栄養ケアマネジメントの計画書作成
- 歯科医師に求められる視点
- 栄養・代謝に関する知識と理解が必須
- ミールラウンドで歯科医師が実際に行っていること
- 食事前の状態の観察
- 咀嚼、嚥下状態に応じた食形態かどうか
- 水分量は足りているか
- 認知機能に応じた食事介助がなされているか
- 目標は食欲増進をはかりQOLを向上させること
- ミールラウンドの流れ
- 第3章 ミールラウンドの対象者とスクリーニング検査
- 経口維持加算の対象者とは
- 条件1 現に経口により食事を摂取している
- 条件2 摂食機能障害がある
- 条件3 誤嚥がある
- 条件4 特別な管理が必要である
- 水飲みテストの方法と評価基準
- 改訂水飲みテストの方法と評価基準
- 食物テストの方法と評価基準
- 頸部聴診法の聴診音と疑われる嚥下障害
- 口腔衛生状態の把握
- 経口維持加算の対象者とは
- 第4章 食事観察の要点
- 食事前の観察
- 食事に集中できない要因の有無
- 食器、食具の選択は適切か
- 覚醒しているか
- トイレに行きたがっていないか
- 口腔内、口の周辺、上肢、下肢の状態を確認
- 座位姿勢の安定
- 食事中の観察
- いつ、むせたか
- 何を食べてむせたか
- どんな強さでむせたか
- どんな量・食べ方でむせたか
- ポイント 喉の動きに注目
- 食事前の観察
- 第5章 食事中の「特別な管理」
- 特別な管理
- 食事環境の調整
- 食事姿勢の調整
- ポイント なるべく座位で
- ポイント 高すぎるテーブルの弊害
- 実行機能と動作の調整
- ポイント 一口の量が多すぎる? 少なすぎる?
- 嚥下機能低下への配慮
- ポイント 咽頭残留のクリアランス
- 介助方法の見直し
- ポイント 食事の量を増やすか、回数を増やすか
- 義歯を入れるタイミング
- 経口維持計画書の作成
- 特別な管理
- 第6章 口腔リハビリ
- 嚥下反射をうながす:アイスマッサージ
- 声帯閉鎖、喉頭閉鎖の改善:プッシング・プリングエクササイズ
- 喉頭の前方運動、食道入口部開大の改善:シャキアエクササイズ
- シャキアエクササイズが難しい人に:おでこ押し体操
- 座位保持訓練・歩行訓練
- ポイント 口腔リハビリの第一歩は離床から
- おわりに
- 支援の形は100人いれば100通りある
などなど。
盛りだくさんの内容となっています。
監修者は厚生労働省のマニュアル作成に参画された糸田先生
糸田先生は、厚生労働省の「多職種経口摂取支援チームマニュアル」の作成に協力されました。
このDVDでは、長年、ミールラウンドを実践してきた糸田先生ならではの視点が体系的に整理され、わかりやすく解説されています。
ミールラウンドの基礎知識、スクリーニング検査の方法、食事前や食事中に患者さんのどこを観察するのか、多職種のカンファレンスの進め方など、具体的に解説されているので、文章と写真だけの本では伝わりにくいことが、すんなりと頭に入ってきます。
このDVDをみることで得られるメリットをあげるなら・・・
- ミールラウンドに必要な知識を再チェックできる
経口摂取を維持する重要性、ミールラウンドの流れ、スクリーニング検査の方法、食事前、食事中のミールラウンドのポイント、他職種が歯科医師、歯科衛生士に求めていることなどが詳細に紹介されています。 - 患者さんの危険な状態を見極めるポイントが学べる
患者さんの口腔機能を評価するうえで見逃してはならないのが、食後の痰がらみの咳。これが最も危険な状態。患者さんが「いつ、何に、どのくらいの強さ」でむせているのか。その見極めのポイントが詳しく解説されています。 - 義歯を入れるタイミングがわかる
リハビリによって食形態があげられそうな患者さんの場合、「いつ義歯をいれるか」が大切になります。どのような状態なら進めて大丈夫なのか。そのタイミングが確認できます。 - 多職種カンファレンスの流れがわかる
施設に行っても口腔ケアだけで終わってしまい、多職種とゆっくり話す機会がない・・・。このDVDでは、ミールラウンドの実際の流れがおさめられているので、カンファレンスの様子、お互いにどのような話をしているかが具体的に理解でき、実践に活かすことができます。 - 施設のスタッフからさらに信頼されるようになる
歯科医師がミールラウンドに参加して、食形態や食事内容を提案することで、患者さんの体重があがり、QOLもアップするという調査結果があります。「この先生が来てくれたおかげで、患者さんの状態がよくなった」と評判になれば、さらに新しい利用者さんを紹介してもらったり、信頼度もあがります。
さらに、DVDである利点として・・・
- 短時間で何度でも勉強できる
このDVDは65分間のものです。
自院の勉強会の教材として使えば、新人のドクターが早く訪問に独り立ちできる研修教材としてご活用いただけます。
また、歯科衛生士さんに見てもらえば「ミールラウンドでは歯科衛生士は、この点を見逃してはいけないのだ」とスタッフ全員のレベルが上がります。DVDの良いところは、何度でも繰り返し見られること。このDVDで勉強してから訪問診療に行くと、多職種連携への壁が低くなったことを実感するでしょう。そして、半年後に、もう一度見ることで、自分の仕事を振り返り、さらに習熟度をアップさせることができます。
特典映像 ミールラウンドの現場に入り込む
このDVDには特典映像としてミールラウンドの実際の現場の映像が入っています。
患者さんの観察ポイント、ミールラウンドの進め方、カンファレンスの様子を詳しく、一つずつていねいに説明しています。
このDVDを見れば、あなたもその場にいて、参加しているように流れを把握することができることでしょう。